肝付兼太の死去から10年|死因と盟友へ叫んだ涙の弔辞の真相
肝付兼太さんの生涯を語る上で避けて通れないのが、『ドラえもん』でジャイアン役を務めたたてかべ和也さんとの半世紀にわたる深い絆です。二人は昭和の草創期から声優界を牽引し、仕事場のみならずプライベートでも毎日のように酒を酌み交わす無二の親友でした。
しかし、運命は過酷な試練を与えます。2015年6月18日、たてかべさんが急性呼吸器不全のため80歳で先立たれたのです。同年6月23日に行われた葬儀・告別式において、肝付さんは震える足取りで祭壇の前に立ち、弔辞の最後に絞り出すようにこう叫びました。
「ジャイア〜ン! ジャイアン、なんで先に逝っちゃったんだよ……!」
その声は、名コンビとして全国のお茶の間を沸かせたスネ夫そのものでした。作中では威張り散らすジャイアンと、それに媚びへつらいながらも離れられないスネ夫という関係性を演じていた二人ですが、現実の肝付さんは誰よりもたてかべさんを敬愛し、頼りにしていました。会場を揺るがした魂の絶叫は、参列者の涙腺を決壊させ、テレビのワイドショーを通じて列島中の視聴者の胸を締め付けました。
盟友の旅立ちからわずか1年4ヶ月後、肝付さんもまた同じ80歳でこの世を去りました。まるで天国のジャイアンに呼び寄せられたかのような旅立ちに、ファンや関係者からは「向こうで今ごろ、二人で肩を組んで酒を飲んでいるのではないか」という追悼の声が相次ぎました。