ジコ坊の正体と真の目的とは?『もののけ姫』朝廷と師匠連の闇を暴く
ジコ坊の正体について、単なる諸国巡礼の僧侶ではないことは劇中の随所から読み取れます。公式設定資料集やスタジオジブリ制作の演出メモによると、彼は大和朝廷の奥底に存在する特務機関「師匠連(ししょうれん)」に所属する幹部クラスのエージェントです。
劇中でジコ坊の配下として暗躍する「唐傘連(からかされん)」は、唐傘を携えて毒針や火薬、忍術めいた変装術を駆使する戦闘工作員集団です。彼らは一言も言葉を発さず、獣の皮を被ってもののけの目を欺き、夜陰に乗じてジコ坊の指示を忠実に遂行します。また、エボシ御前のたたら場へ貸与された「石火矢衆(いしびやしゅう)」40名も、師匠連が朝廷から動員させた最新鋭の火器部隊でした。
つまりジコ坊は、表向きは飄々とした托鉢僧を装いながら、実際には「軍事組織の手配」「地方豪族やエボシ御前との政治交渉」「特殊部隊の直接指揮」までを一手に行う、極めて優秀な国家官僚・謀略指揮官だったのです。一本歯の高下駄を履きながら足場の悪い山中を素早く移動し、アシタカが放った矢を瞬時にかわす並外れた体術も、彼が長年にわたり危険な裏任務を生き抜いてきた証左といえます。