エッジワース・カイパーベルトの真実|冥王星降格と太陽系最果ての謎
天文学の専門用語が並ぶと難解に感じられがちですが、エッジワース・カイパーベルトをわかりやすく整理すると、「太陽系の惑星形成期に取り残された、氷を主成分とする天体たちがドーナツ状に周回している巨大なフロンティア」といえます。理論的予測を行ったアイルランドのケネス・エッジワースと米国のジェラルド・カイパーの名にちなんで命名されました。
まず把握すべきはその圧倒的なスケール感です。地球と太陽の平均距離である1天文単位(AU=約1億5,000万km)を基準とした場合、太陽系第8惑星である海王星の軌道が約30 AUに位置します。このカイパーベルトの範囲と距離は、一般的に海王星軌道以遠の約30 AUから約50 AU(太陽から約45億km〜75億km)の領域を指します。
初心者が最も混同しやすいのが、火星と木星の間にある「小惑星帯(アステロイドベルト)」との混同です。両者の違いを理解することは、太陽系がどのように形作られたかを知るうえで欠かせません。
このように、小惑星帯(アステロイドベルト)との違いは、単に場所が遠いというだけではありません。太陽熱で揮発成分を焼き尽くされた「岩石と金属の世界」である小惑星帯に対し、エッジワース・カイパーベルトは「凍りついた揮発性ガスと有機物の宝庫」なのです。