でんぱ組『おつかれサマー!』誕生秘話!ゆず北川×ヒャダイン共作の真相とは?
2015年夏を彩った本作の根幹にあるのは、まったく異なる出自を持つ2人の天才音楽家の邂逅でした。これまででんぱ組.incの音楽的背骨を担ってきたヒャダイン(前山田健一)氏と、日本を代表するフォークデュオ・ゆずの北川悠仁氏による共同作詞・共同作曲。一見すると水と油のようにも思えるこのコラボレーションは、商業的な話題作りの枠を遥かに超えた必然性から動き出していました。
当時の特番インタビューや関係者への取材資料によると、発端は北川氏がでんぱ組.incのライブパフォーマンスを直接目撃した体験にありました。メンバー全員が引きこもりや不登校といった挫折体験を持ち、それらをエネルギーに変換して泥臭くステージを駆ける姿に、北川氏はかつて自身が路上ライブで観客と対峙していた黎明期の生々しい情熱を重ね合わせたといいます。
「この泥臭くも圧倒的な熱量を、最高の夏のポップスへと昇華させたい」という思いから、旧知の仲であったヒャダイン氏への打診が行われ、おつかれサマー 制作経緯における異例のセッションがスタートしました。通常の分業制(Aメロを片方が作り、サビをもう片方が作る形式)ではなく、2人が実際にピアノとギターを前に顔を突き合わせ、メロディの断片や突拍子もないフレーズをラリーのように投げ合いながらメロディを紡ぎ出すスタイルが採られました。
ヒャダイン氏が持つジェットコースターのような過密展開と電波フレーズの奔流に、北川氏が持つ誰もが一聴して歌えるスタジアム級のアンセムメロディが注ぎ込まれた瞬間でした。こうしておつかれサマー 作曲者のクレジットに並んだ2人の情熱は、J-POPの王道とサブカルチャーの地下水脈を接続する決定的な原動力となったのです。