大相撲の満員御礼はなぜ空席でも出る?基準と札止めの違いを徹底解明
満員御礼が出た本場所の館内裏口や支度部屋では、伝統的な神事興行ならではの光景が繰り広げられます。それが、大相撲関係者に配られる「大入袋(おおいりぶくろ)」の授与です。
大相撲 満員御礼 記念品として知られるこの大入袋は、赤い文字で「大入」と印刷された手のひらサイズの祝儀袋です。配られる対象は現役力士をはじめ、親方、行司、呼出、床山などの相撲協会関係者、さらには現場を取材する報道陣(記者やカメラマン)にまで及びます。
気になるその中身は、現代においても現金で「十円硬貨1枚」が入っています。歴史を紐解くと、戦前には「十銭硬貨1枚」が入れられており、貨幣価値の変動を経てもなお、この象徴的な硬貨1枚の伝統が厳格に受け継がれています。
「たったの10円か」と感じるかもしれませんが、相撲界において大入袋は金銭的な報酬ではなく、「本日も無事に満員の観客を迎えられた」という感謝と厄除けの縁起物です。力士たちは手渡された大入袋を化粧鏡に貼ったり、稽古着のポケットや財布に忍ばせたりして、自らの誇りと励みにしています。日々の地道な鍛錬が満員の観客を呼び、その証として手にする10円玉には、額面をはるかに超えた精神的な価値が宿っています。