大滝詠一「君は天然色」に秘めた涙の真相!松本隆が妹に捧げた永遠の名曲
「想い出はモノクローム 色を点けてくれ」というあまりにも有名なフレーズ。この印象的な一節は、単なる失恋の情景を描写したものではありません。作詞を担当した松本隆が直面していた、最愛の実妹の急逝という耐え難い悲劇から生まれた言葉でした。
1980年の冬、アルバム制作の真っ只中に、松本隆の妹が心臓病のため26歳の若さでこの世を去りました。深い悲痛に暮れた松本隆の視界からは文字通り色彩が消え失せ、街行く人々の姿も渋谷や青山の風景も、すべてが灰色(モノクローム)に見えたと後に語られています。
筆を執ることすらできない絶望の中で、ふと見上げた街の風景に一瞬だけ色彩が戻った瞬間がありました。その心の揺らぎをそのままスケッチするようにして書き上げられたのが、「君は天然色」の詞でした。弾むようなリズムと瑞々しい言葉の数々は、失われた妹への深い哀悼と、「どうかもう一度、世界を鮮やかに彩ってほしい」という切実な再生への祈りそのものだったのです。