大阪桐蔭2014年優勝メンバーの現在と進路一覧|激動の歩み
2014年8月25日に行われた決勝戦は、高校野球史に残る名勝負の一つに数えられます。相手は三重県勢として59年ぶりの決勝進出を果たし、安定した継投策と堅守で快進撃を続けていた三重高校でした。試合は一進一退の息詰まる攻防戦となりました。
大阪桐蔭は2回に先制を許し、中盤には1点差を追いかける極めて苦しい展開に追い込まれます。三重高校のエース左腕・今井重太朗が投じる絶妙な緩急と低めの制球に苦しみ、あと一本が出ない重苦しい空気がベンチを支配しかけていました。しかし、この窮地を救ったのが西谷浩一監督の徹底した戦況分析と、選手たちの打席での粘り強さでした。
7回裏、先頭打者が出塁すると、相手のわずかなミスと四球を見逃さずに好機を拡大。2死満塁の場面で打席に立った主将・中村誠が、カウントを追い込まれながらもしぶとくセンター前へと弾き返し、走者2人を迎え入れる起死回生の逆転適時打を放ちました。中村は当時の手記や優勝インタビューにおいて、次のように振り返っています。
「自分たちの代は突出したスーパースターがいないと言われ続けてきた。だからこそ、誰かが打てなくても全員でカバーし、泥臭く1点を奪いに行く野球を信じていた。あの打席はチーム全員の執念がバットに乗っていた。」
投げては福島孝輔が9回を投げきり、三重打線の反撃を断ち切ってゲームセット。スコアは4対3。華麗な本塁打攻勢ではなく、徹底した選球眼、走塁意識、そして好機を逃さない勝負強さによって勝ち取った、まさに「大阪桐蔭野球の真髄」を体現した一戦でした。