なぜ暴力を振るう男は豹変するのか?Dv心理の真相と安全な脱出手順
パートナーに対して暴力を振るう男性を観察すると、職場の上司や友人、警察官など「自分より立場が強い相手」に対して感情を爆発させて殴りかかるケースは極めて稀です。彼らは暴力を振るう相手と場所を明確に選別しています。つまり、暴力を振るう男の心理の本質は「怒りを抑えられない感情障害」ではなく、「この相手なら力で屈服させても反撃されない」という計算に基づいた支配行動にあります。
心理学および臨床現場の知見では、こうした男性の多くが肥大化した自己愛と極端に脆い自己肯定感を併せ持っていることが指摘されています。外の世界では「完璧で有能な自分」を演じている反面、内面には強い見捨てられ不安や劣等感を抱えており、身近なパートナーを自分の所有物のように扱うことで精神の均衡を保とうとします。相手が一人の独立した人間として自分の思い通りにならない行動を取ると、それを「自分への侮辱・攻撃」と歪んで認知し、力ずくで従わせようとするのです。
さらに、暴力を振るう男性の育ちや家庭環境も無視できない要因です。幼少期に父親が母親へ暴力を振るう姿を目撃して育った「児童虐待の目撃体験(面前DV)」や、親から条件付きの愛情しか与えられず過度な支配・体罰を受けて育った背景を持つケースが目立ちます。家庭内で「力を持つ者が他者を従わせる」という誤った問題解決パターンを学習してしまった結果、成人後も親密な関係において同様の支配関係を無意識に再生産してしまいます。