国宝『雪松図屏風』の作者は誰?円山応挙が仕掛けた超絶技巧の真実
『雪松図屏風』を鑑賞した際、誰もが驚嘆するのが雪の柔らかな質感です。実はここに、絵画史上屈指の驚くべき雪松図屏風の技法が隠されています。
通常、雪を描く際には白い顔料である「胡粉(ごふん)」を厚く塗り重ねることが一般的です。しかし応挙は、松の枝に降り積もった真っ白な雪の部分に、あえて白い絵の具をほとんど使っていません。下地である和紙の白さをそのまま残し、その周囲に薄墨や金泥を塗り重ねる「塗り残し技法(白抜き)」によって雪を浮かび上がらせています。
地の紙そのものが持つ柔らかな白さを活かすことで、絵の具の厚塗りでは決して出せない「ふんわりと空気を含んだ新雪の軽やかさ」と「水分を含んだ雪の冷たさ」を同時に生み出しました。引き算の美学と高度な計算が生んだ、応挙にしか成し得ない神業です。