ワーグナー結婚行進曲は縁起が悪い?悲劇の真相と選ぶ基準を徹底解説
不吉な結末ばかりがクローズアップされがちな『婚礼の合唱』ですが、歌われている歌詞そのものは濁りのない純粋な祝福に満ちています。ドイツ語の原詞から読み解く日本語訳は、まさに門出に立つ二人への至高の讃歌です。
「誠実に導かれ進め、愛が祝福する場所へ。栄誉と勇気が結ばれる、輝く愛の巣へ。戦いの嵐は過ぎ去り、静けさが二人を包む。神の恵みが満ちる場所で、永遠の歓びを分かち合え」
合唱団がエルザとローエングリンを寝室へと案内するこのテキストには、邪悪な意図は一切含まれていません。ワーグナーが描こうとしたのは「現世の疑惑や世俗の穢れから切り離された、愛の純粋な領域」でした。だからこそ、旋律は穏やかで、一歩ずつ愛の聖域へ足を踏み入れる足取りに調和するよう作られているのです。
また、挙式や披露宴でピアノ生演奏を取り入れたい新郎新婦にとっても、この楽曲は極めて扱いやすい利点を持っています。ワーグナー自身によるオーケストラ版をフランツ・リストが華麗に編曲した難度の高いピアノ版から、全音楽譜出版社やヤマハミュージックメディアから刊行されている初心者・中級者向けの平易な連弾・ソロ楽譜まで、選択肢が豊富に揃っています。
原曲のテンポ設定は「Moderato con moto(動きを持って穏やかに)」。入場行進で慌てて歩幅が乱れないよう、ゆったりとしたリズムを保ちやすいアレンジを選ぶことが、当日の立ち居振る舞いを美しく見せるための実践的コツです。