ブルー・シャトウ誕生秘話とレコ大の真実!昭和Gs伝説の光と影
1967年末の第9回日本レコード大賞の受賞理由には、昭和の芸能界と社会情勢の複雑な力学が色濃く反映されていました。当時、ザ・タイガースやザ・テンプターズに代表される長髪のエレキバンドは若者を狂乱させ、PTAや教育委員会から「不良の温床」「青少年の健全育成を阻害する」としてコンサートへの出入り禁止運動が起きるほどの社会問題となっていました。
その激しい逆風の中、ジャッキー吉川とブルー・コメッツは一線を画していました。彼らは全員がビシッと決めたスーツを着用し、短髪で清潔感あふれる身なりを徹底。さらにジャズ喫茶や米軍キャンプ仕込みの揺るぎない演奏力と美しいコーラスワークを披露したことで、保守層や審査員団から圧倒的な支持を獲得したのです。
当時の大賞レースでは、石原裕次郎の『夜霧よ今夜も有難う』や伊東ゆかりの『小指の想い出』といった強力なライバルがひしめいていました。その中で、GSという新世代のムーブメントを取り込みつつも、既存の音楽秩序を乱さないブルー・コメッツの受賞は、保守的なレコード大賞審査会にとっても完璧な妥協点であり、同時に時代に対する正当な評価だったのです。