【トリノ五輪】荒川静香の劇的金メダルとイナバウアー誕生の真相を徹底解説
トリノ五輪における最大のポジティブなサプライズは、女子カーリング日本代表「チーム青森」の大躍進であった。小野寺歩(現・小笠原)、林弓枝(現・船山)、目黒萌絵、本橋麻里、寺田桜子らが繰り広げた熱戦は、日本におけるカーリングの知名度を一気に押し上げた。
当時、日本テレビやNHKが深夜帯に緊急生中継を敢行すると、2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)の実況スレッドはサーバーが落ちるほどの勢いで書き込みが殺到。「マリー!」と叫んでストーンをスイープする本橋麻里選手の愛らしさや、氷上で交わされる方言交じりのマイク音声(「そだねー」の源流となる自然なやりとり)、緻密な戦術の読み合いが視聴者を虜にした。
強豪国を相手に堂々の7位に食い込んだこの戦いは、単なる一過性のブームに終わらなかった。本橋麻里選手は後に北海道北見市で「ロコ・ソラーレ」を立ち上げ、2018年平昌五輪の銅メダル、2022年北京五輪の銀メダルへと続く日本カーリング黄金期の揺るぎない礎を築くこととなった。トリノの氷上で芽吹いた情熱は、10数年の時を経て世界トップクラスの競技力へと結実したのである。