北川景子『Dear Friends』衝撃の真相|過酷な役作りと知られざる裏側
映画界において、若手俳優が「アイドル的人気」から「本格派の表現者」へと脱皮する瞬間があります。北川景子にとってその決定的な転機となったのが、2007年2月に東映配給で公開された本作でした。『美少女戦士セーラームーン』で鮮烈なデビューを飾り、ファッション誌『Seventeen』のトップモデルとして同世代の圧倒的な支持を集めていた彼女にとって、満を持しての単独初主演作となったのが北川景子 初主演映画として名高い『Dear Friends』です。
メガホンを取ったのは、『ナースのお仕事』シリーズをはじめ数々の人間ドラマを手掛けてきた両沢和幸監督。脚本は、社会現象を巻き起こしたケータイ小説ブームの先駆者であるDear Friends 原作 Yoshiの世界観をベースに、当時の若者が抱えていた空虚感と人間関係の脆さを容赦なくフィルムに焼き付けました。
公開当時の興行界では、いわゆる「渋谷系ギャル映画」としての一面が前面に押し出されてプロモーションされていました。しかし、スクリーンで展開されたのは安易な青春賛歌ではなく、肉体の損壊と実存的危機のプロセスを執拗なまでに追った重厚な心理サスペンスに近いドラマでした。この作品が放った異様な熱量は、2000年代後半の日本映画界に鮮烈なショックを与え、北川景子という女優のポテンシャルを業界関係者に知らしめる決定打となったのです。