「あまちゃん」能年玲奈の現在地 芸能界復帰の舞台裏と新たな挑戦
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2010年代半ば、ブレイクの絶頂期にあった能年玲奈(のん)を襲ったのは、前代未聞の移籍・独立トラブルだった。当時の所属事務所レプロエンタテインメントとの契約問題を巡り、メディアでは連日のように過熱した報道が繰り広げられた。本名の「能年玲奈」としての活動名義使用に制約がかかるという異例の事態に追い込まれながらも、彼女が選んだ解は、芸名を「のん」へと変更し、個人事務所を設立してゼロからリスタートを切ることだった。
民放キー局のドラマ出演枠が事実上閉ざされるという厳しい現実に直面しながらも、彼女の才能を信じるクリエイターたちは手を差し伸べ続けた。その筆頭が、アニメーション映画『この世界の片隅に』の片渕須直監督である。主人公・すず役の声を演じた彼女の演技は、観客や批評家から絶賛を浴び、映画界の主要な賞を総なめにした。地上波テレビという主戦場を失ったことで、かえってスクリーンや声優、アート、音楽といった多角的な領域で才能が開花する契機となったのは、怪我の功名と言えるかもしれない。