2026年、木造天守の静寂が脅かされる――世界的熱狂の裏で始まる「保存と観光」の攻防戦
ハード面の維持管理と同時に深刻化しているのが、ソフト面での継承問題だ。歴史的建造物の修復には、現代の建築士ではなく、伝統的な木造建築の手法を熟知した「宮大工」の技術が欠かせない。しかし、職人の高齢化と後継者不足は年々深刻さを増している。
さらに、修復に必要な巨大な国産ヒノキや松といった高品質な木材の調達も容易ではない。長期的視野に立った資材用林地の確保や、若い技術者を育成するための官民連携プロジェクトが本格化しているが、時間の猶予は決して多くないのが現状だ。